情報セキュリティ

営業秘密のツボ 2023年7月19日 第85号

公開日:2023年7月19日

営業秘密の管理や保護に関する様々な情報をお届けして参ります。

巻頭メッセージ

経済産業省
知的財産政策室長 猪俣 明彦

去る6月28日(水)、皆様のご協力のもと、第9回目の「営業秘密官民フォーラム」を開催することができました。昨年度に引き続き、感染症対策の観点から一部の方にはWebからご参加いただきましたが、今回のフォーラムでは、公安調査庁から経済安全保障の確保に向けて、警察庁からは、営業秘密侵害事件から見える営業秘密管理の課題と外国への技術流出のリスクにつきましてそれぞれ御説明いただきました。経済産業省からは、営業秘密の保護・活用に関する最新の動きや安全保障貿易管理を巡る最近の動向につきまして説明致しました。

加えて、JETROからは海外における営業秘密漏えい対策支援事業のご紹介、INPITからは営業秘密・知財戦略相談窓口の活動状況について、IPAからはサイバーセキュリティ対策・内部不正防止対策、そして弁護士知財ネットからは最近の事例を踏まえた営業秘密管理のポイントにつきましてご紹介いただきました。さらに、本会議から最近の事例の動向に基づいて参加者の皆様と意見交換をするなど、大変有意義な情報交換を行うことができました。改めて、ご参加いただいた皆様のご協力のおかげで本会議を開催することができ大変感謝申し上げます。

また、去る6月7日、第211回国会、不正競争防止法等の一部を改正する法律案が国会で全会一致で可決され、成立し、14日に公布されました(令和5年法律第51号)。先のフォーラムでは、改正法の概要についてもご説明させていただきましたが、無事に法案審議を乗り越えられたのもひとえに皆様のご厚情のおかげでございます。心より御礼申し上げます。

今回の改正内容を含めて、不正競争防止法の保護を実効的なものとするためには、産業界・関係者の皆様に内容をしっかり周知し、ご理解を得た上で、例えば営業秘密であれば十全な管理を講じていただくことが肝要であり、周知啓発に向けた取組を強化してまいりたいと考えております。

最後になりますが、この営業秘密メールマガジンにつきましても創刊7周年を迎えるこができました。巻頭メッセージや各種情報提供等、関係者の皆様と一緒にこのメルマガを作り上げてくることができ、大変有難く思っております。

営業秘密を含む重要情報の保護・流出対策については産業競争力の強化や経済安全保障など様々な観点から関心が高まっており、リアルなフォーラムである営業秘密官民フォーラムとバーチャルなフォーラムであるこのメールマガジンを両輪として、皆様との連携強化や有益な情報交換を一層行ってまいりたいと思いますので、引き続きどうぞよろしくお願いいたします。

目次

1.訴訟・判決コラム:弁護士知財ネット

弁護士知財ネットからの「訴訟・判決コラム」は、今回はお休みです。
過去の掲載記事は、弁護士知財ネットのウェブサイトをご覧ください。

2.サイバーセキュリティ対策

1.Microsoft 製品の脆弱性対策について(2023年7月):独立行政法人情報処理推進機構(IPA)

日本時間の2023年7月12日にMicrosoft製品に関する脆弱性の修正プログラムが公表されました。一部の脆弱性では悪用が確認されている旨Microsoft社が公表しており、至急修正プログラムの適用等の対処を行ってください。
詳細は重要なセキュリティ情報ページをご確認ください。

2.重要インフラのサイバーセキュリティ部門におけるリスクマネジメント等手引書を公開:内閣サイバーセキュリティセンター(NISC)

7月4日に「重要インフラのサイバーセキュリティに係る安全基準等策定指針」が改訂され、同日に公開された本手引書はサイバーセキュリティ部門(戦略マネジメント層、担当者層)向けに、部門目標の設定、各部門のリスク特定、個別のリスク分析、各部門のリスク評価等の取組みについての参考情報を提供するものです。
詳細は公開されたPDFをご確認ください。

3.Windows Server 2012 および2012 R2 のサポート修了に伴う注意喚起:独立行政法人情報処理推進機構(IPA)

2023年10月にMicrosoft社が提供しているOSのWindows Server 2012および2012 R2 のサポートが終了します。脆弱性の悪用による情報漏えいや意図しないサービス停止等の被害に遭うリスクが高くなるため、速やかに最新版への移行等の実施が求められます。
詳細はサポート修了に伴う注意喚起のページをご確認ください。

3.セミナー・イベント等のお知らせ

1.「はじめての「営業秘密管理」」研修動画:独立行政法人工業所有権情報・研修館(INPIT:インピット)

独立行政法人工業所有権情報・研修館(INPIT:インピット)では、大切な秘密情報を巡るよくあるトラブル事例や、営業秘密として管理する手法についてまとめた研修動画を、当館のeラーニングサイトIPePlatに公開しております。
営業秘密について学びたい、これから営業秘密管理に取組もうという方向けの内容で、無料でご視聴頂けます。
動画は「はじめての営業秘密管理」よりご覧いただけます。

4.営業秘密関連情報のご紹介

1.海外における営業秘密漏えい対策支援事業 (中国、タイ、ベトナム、インドネシア、インド、欧州一部)のご案内 (オンライン対応可・無料):独立行政法人日本貿易振興機構(JETRO)

海外ビジネスを展開するにあたって、自社の経営や技術に関する情報を保護することは極めて重要です。ジェトロでは、実際に営業秘密の保護・管理体制の導入を図る日本企業の中国、タイ、ベトナム、インドネシア、インド、欧州一部の現地法人等を対象に、専門家によるコンサルテーションや社内研修を行う事業を実施します。サービス内容は支援対象企業のニーズにあわせてオーダーメイドでご提供致します。日本とは異なる商慣習や労務環境、司法保護状況に合わせて営業秘密の管理体制や保護措置を導入するために、ぜひご利用下さい。

  • 支援事業概要
  • 期間:採択後から2024年1月31日水曜日まで
  • 利用時間上限:1社あたり23時間(但し、欧州は1社あたり15時間)
  • 採択企業数:中国、タイ、ベトナム、インドネシア、インド、欧州一部で計20件程度
  • 費用:無料
  • 実際に対策を導入するための社内措置等の費用は自社負担となります。
  • 今年度もオンラインでのご支援も可能でございます。

 事業の詳細、申請書はジェトロの支援サービスのページをご覧ください。

  • お問い合わせ先
    Mail:CHIZAI@jetro.go.jp 
    Tel :03-3582-5198
    担当:河野、上原、藤本

2.技術情報管理認証の取得などをサポートする専門家を無償派遣します:経済産業省 安全保障貿易管理課

 経済産業省は、産業競争力強化法に基づく技術情報管理認証制度の認証取得を目指す事業者等を対象に、情報セキュリティの具体的な取組方法のアドバイスや、認証取得の支援を行う専門家を無償で派遣する事業を実施しています。 なお、予定枠が埋まり次第募集を打ち切る場合がありますので、派遣を希望される方は、早めの応募をお願いします。

詳細は「技術情報管理認証制度 専門家派遣事業ウェブページ」をご確認ください。 

3. 不正競争防止法等の一部を改正する法律の成立と公布について:経済産業省 知的財産政策室

 2023年3月10日に閣議決定された「不正競争防止法等の一部を改正する法律案」が同年6月7日に可決、成立し、6月14日に法律第51号として公布されました。今回の改正では、さらなる営業秘密・限定提供データの保護強化を実施しています。

  • ビッグデータを外部と共有するサービスでデータを秘密管理している場合も含め限定提供データとして保護し、侵害行為の差止め請求等を可能にすること
  • 損害賠償訴訟で生産能力を超える損害分も使用許諾料相当額として増額請求可能とすること
  • 国外において日本で事業を行う企業の営業秘密侵害が発生した場合にも、日本の裁判所に訴訟を提起でき、日本の不正競争防止法を適用可能とすること

等が盛り込まれています。

詳細は特許庁のウェブページをご覧ください。

4.「技術情報管理 自己チェックリスト」のご紹介 :経済産業省 安全保障貿易管理課

  • 経済産業省は産業競争力強化法に基づく技術情報管理認証制度の基準をもとに、中小企業や専門知識がない方でも自社の情報セキュリティ対策の状況を確認し、必要な対策を把握できる「技術情報管理 自己チェックリスト」を公開しております。
    情報セキュリティ対策をなにから始めればいいか分からずお悩みの方は、まずは自己チェックリストを経済産業省ウェブページからダウンロードして、自己診断してみましょう。

技術情報管理自己チェックリストのダウンロードは、技術情報管理自己チェックリストのウェブページをご確認ください。

5. 御社の商品や商標、海外で盗まれていませんか?: 独立行政法人日本貿易振興機構(JETRO)

今までに、海外市場に進出しようと調査した企業様より以下のような相談がございました。

  1. 自社製品の偽物が一般の市場やECサイトに流通している。
  2. 自社商標が既に海外企業に取得され、販売ができない。

それどころかそうとは知らずに進出した結果、「商標権」等を登録していた海外企業から逆に訴えられるというケースもございました。ジェトロではこのような被害にあわれた方を支援するために、次のような事業を行っております。

1.海外の模倣品被害を何とかしたい方
模倣品対策支援事業のウェブページをご覧ください。

2.海外企業に自社商標を先取出願された方
冒認商標無効・取消係争支援事業のウェブページをご覧ください。

3.外国企業から警告状が届いた、訴えられた方
防衛型侵害対策支援事業のウェブページをご覧ください。

  • 応募受付期限:2023年10月31日火曜日 17時
  • 予算が無くなり次第応募受付を終了いたします。
  • 採択までの審査等にお時間を頂きますので、お早めにご応募ください。
  • お問い合わせ先
    Mail:SHINGAI@jetro.go.jp
    TEL :03-3582-5198
    担当:知的資産部 知的財産課 山内、田中、川西、宮平

6.技術流出の防止に向けたウェブページ、動画、パンフレットのご紹介:警察庁 警備局外事情報部外事課 経済安全保障室

皆様の企業・研究機関にはどのような技術情報がありますか?
技術流出の防止には、「情勢」・「事例」・「対策」の理解が欠かせません。この度、警察庁公式サイトに特設ページ「技術流出の防止に向けて」を開設し、技術流出に関する情勢、リスクのある具体的事例「3つのS」 と題した企業や個人が取るべき対策などをわかりやすく説明しています。動画やパンフレットも掲載されていますので社内研修等に御活用ください。

「技術流出の防止に向けて」のウェブページから事例、動画、パンフレット等をご覧ください。

7.「知的財産推進計画2023」について:内閣府 知的財産戦略推進事務局

内閣府知的財産戦略本部において、政府における知財戦略や知財施策を取りまとめた「知的財産推進計画2023~多様なプレイヤーが世の中の知的財産の利用価値を最大限に引き出す社会に向けて~」を公表しています。 「知的財産推進計画2023」では、知財戦略の基本認識と重点10施策の中で、営業秘密やデータ利活用に関する施策についても掲載されています。

詳細は 知的財産推進計画2023のPDF版をご確認ください。

8.「秘密情報の保護ハンドブック」及び「情報管理も企業力 秘密情報保護ハンドブックのてびき」を配布しています:経済産業省 知的財産政策室

不正競争防止法の講義等において、不正競争防止法の概要をはじめ、秘密情報の保護ハンドブックや同ハンドブックのてびきの紹介・説明をさせていただいております。
これらの資料は、経済産業省ホームページからダウンロード可能です。また、ご希望の方には、冊子をお届けすることも可能でございます。社内研修等での活用をご検討いただけますと幸いです。

詳細は「冊子の送付について」のウェブページをご確認ください。

9. データ利活用に関する資料を公表しております:経済産業省 知的財産政策室

不正競争防止法では、限定提供データに関する規定を設けております。企業が保有・活用する「情報」を営業秘密と相互補完的に守る枠組みです。
知財室では、データ利活用に関する資料をウェブサイトにて公表しておりますので、ご活用いただけますと幸いです。

データ利活用を始めたいが何から始めて良いかわからない、データ利活用においてどのような点に気をつければ良いか等の疑問をお持ちの方はぜひご覧ください。

10.「スタートアップ社長inサバンナ」!独立行政法人工業所有権情報・研修館(INPIT:インピット)

世界初!?
厳しいビジネスの世界をサバンナに例え、ネイチャードキュメンタリーさながらに、サバンナで生きるシャチョー(スタートアップ類)の大切なアイデアや技術を“捕食”されないよう、知的財産の重要性を啓発する動画になっています!!

YouTube動画はINPIT(インピット)Channel「スタートアップ社長 in サバンナ」(ナレーション:森田成一)からご覧ください。
また、「INPIT(インピット)のスタートアップ支援!」のウェブページも併せてご覧ください。

11.営業秘密保護PR動画(ショートドラマ&解説動画)を公開中です:独立行政法人工業所有権情報・研修館(INPIT:インピット)

トップセールスでうっかり・・・、取引先からの要請に答えたら・・・、展示会でアピールし過ぎて・・・、など営業秘密で陥りがちな失敗とケーススタディをYouTube動画で公開中です。

「わが社の営業秘密は大丈夫かな?」とちょっと思った方!必見です。

YouTubeで公開中の動画

第1弾 【この話、自分には関係ない本当にそう】トップセールスでのうっかり
第2弾 【取引先からの思いがけない提案】苦渋の判断が生んだ悲劇
第3弾 【会社総出でアピールしたら】展示会の落とし穴

12.「不正競争防止法テキスト2022」を公表しております:経済産業省 知的財産政策

不正競争防止法のテキスト最新版を、知財室のページにて公表しております。

また、不正競争防止法について説明会をしてほしい!などのご要望がございましたら、知的財産政策室までご連絡をお願いします。
知財室員がご説明に伺います。

13.営業秘密・秘密情報管理、知財戦略のFAQ:独立行政法人工業所有権情報・研修館(INPIT:インピット)

独立行政法人工業所有権情報・研修館(INPIT:インピット)が運営する「知財ポータル」にて、「取引先から我が社のノウハウの提供を求められている。どうしたらよい?」といった、営業秘密管理におけるよくある質問を一問一答形式のFAQとしてとりまとめています。

詳しくは営業秘密・知財戦略よりご覧ください。

14.「営業秘密・知財戦略相談窓口」をご活用ください:独立行政法人工業所有権情報・研修館(INPIT:インピット)

 知的財産戦略アドバイザーが企業の実情に合わせた秘密情報の管理体制(例えば、書類・記録媒体の管理方法、電子データの管理等)の整備をご支援いたします。  
地方自治体や中小企業支援機関が主催するセミナー・講演会、中小企業における社内研修等への講師派遣も無料で実施しており、ご好評いただいております。是非ご活用ください。

お問い合わせは「営業秘密・知財戦略相談窓口」のサービス概要をご参照ください。

事務局のつぶやき

今月の知財室

いつもつぼマガをご愛読いただきありがとうございます。経済産業省知的財産政策室です。

皆様のご協力のもと「営業秘密官民フォーラム」を終え、気がつけば7月。毎日暑い日が続いておりますが、もうこれは夏が始まったということなのでしょうか。

皆様、夏休みの計画はお済みでしょうか。私事ですが、今年の夏休みは、海外旅行を検討中です。海外に行くのはだいぶ久しぶりですので、まずは家の中でパスポートを探すところから。航空券やホテルを調べるものの、高い高い、、、準備期間も旅行のうちと思えば楽しいですね。

さて、海外と言えば、皆様、「外国公務員贈賄罪」をご存じでしょうか。「営業秘密」とはなかなか関係の薄い話ですが、「外国公務員贈賄罪」も不正競争防止法に規定されております。今般の不正競争防止法の改正事項には、外国公務員贈賄罪に対する罰則の強化も含まれていますので、この機会に是非、他の改正事項とあわせてご確認いただけますと幸いです。

「つぼマガ」第85号をお読みいただき、ありがとうございました。

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発行/編集:営業秘密官民フォーラム

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